投稿日:2023-04-22  更新日:2023-04-22

【獅子たる】なぜ中国の電気自動車(EV)は強く、世界に拡まるのか?

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こんにちは、EVライフ編集部です。

日々、多くの電気自動車(EV)関連の新製品や活用方法、ピックアップニュースが登場しています。EVライフでは、電気自動車(EV)との生活をまとめ、整理して発信しています。

今日は多数のEV関連ニュースから注目の情報として「【獅子たる】なぜ中国の電気自動車(EV)は強く、世界に拡まるのか?」をEVライフライターが紹介します。

世界EV販売における中国の電気自動車(EV)メーカーの存在感

世界のEV販売における中国の電気自動車(EV)メーカーの存在感は圧倒的です。

世界EV販売における中国の割合

世界における電気自動車(完全に電気自動車であるBEV)の2022年上期での販売台数の上位20位は下のとおりです。

1位 Tesla(米国
2位 BYD(中国
3位 GM中国・米国
4位 VW GroupEU
5位 Hyundai(韓国)
6位 StellantisEU
7位 Chery Automobile中国
8位 GAC中国
9位 R-N-M Alliance(EU・日本)
10位 SAIC中国
11位 Dongfeng中国
12位 Geely-Auto Group中国
13位 Changan Automobile Group中国
14位 BMW Group(EU
15位 Xiaopeng中国
16位 Mercedes-Benz GroupEU
17位 Hozon Auto中国
18位 Great Wall Motors中国
19位 NIO Inc.中国
20位 Leap Motor中国

関連記事:EVメーカーランキング

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このように見ると、トップ10の中で圧倒的な存在感を見せるのは中国で、地域ごとのランクイン数を整理すると次のようになります。

中国:13アライアンス
欧州:5アライアンス
米国:2アライアンス

こうしてみると、中国におけるアライアンスの存在感がとても大きく、上位20のうちの半数以上を占めていることが分かります。

世界トップクラスのメーカーも輩出

なお、中国の電気自動車(EV)は世界のメーカーランキングでもトップに必するメーカーが登場しています。その企業は「BYD(比亜迪股份有限公司」といい、2022年上期において、BEV販売では米国テスラに続き、世界第2位の実績を誇っています。

日本国内の販売においては、2021年から普通車での法人用のEV販売を日本国内でも開始し、2023年には一般向けも完全な電気自動車(EV)であるATTO3の販売を開始し、大きな反響を呼んでいます。

2022年上期の世界におけるBEVの販売台数は約32万台であり、単純に倍がけすると年間で64万台程度を販売していることになります。日本における新車の年間販売台数が420万台前後であることを考慮すると、とても多くの台数の電気自動車(EV)を販売していることが分かります。

また、BYDはもともとは電池メーカーであり、その製品力・品質力が非常に高いことも知られています。2019年7月に、日本のトヨタはBYDとEVの共同開発契約を締結し、2019年11月には折半出資でBYD TOYOTA EV TECHNOLOGYの設立を決定し、2020年春から稼働しています。当会社でコンセプトにされているトヨタシリーズ名をもつ車はBYD製の電池を使用することが発表されています。また、トヨタの電気自動車(EV)に使用される電池のサプライヤーとしてもBYDが候補の1つに入っている状態であり、BYDの技術力は世界トップクラスにいきついています。

なぜ中国の電気自動車(EV)は強く、存在感があるのか?

中国の電気自動車(EV)は強く、大きな存在感を持つのでしょうか。その理由は圧倒的な国的優位性・製品技術力・政策によるものです。

国的優位性

中国の電気自動車(EV)が世界で瞬く間に勢いを持ったものは、そもそもの中国の人口の多さです。
中国の人口は2022年末の段階で14億1175万人であり、日本の人口の10倍以上になります。また、車の所有も非常に多く、中国国内における年間の新車販売台数は2686万台であり、日本の6倍以上の市場があります。
これらの国内ニーズの多さから、新興の環境自動車においても、新規産業の立ち上げに伴い、人やお金をあてて開発を進めることができています。

製品技術力

人口が多いだけでは中国の電気自動車(EV)はここまで拡がりません。中国の電気自動車(EV)が世界的にも台数を伸ばしている理由の2つ目は非常に高い「製品技術力」です。
2010年より前では、車の製品や電動車に使用される電池などは日系メーカーのシェアが高い領域でした。しかし、2010年以降からは中国・韓国のシェアが高まり、2021年では車載用電池における中国・韓国のシェアは75%を超え、圧倒的な強さを誇っています。

中国は、電池業界だけでなく、今や世界の研究を牽引している大国です。文部科学省は、日本と世界の主要な国の研究開発費や論文数などを調査し、科学技術に関する研究活動を分析した「科学技術指標2022」を公表しました。論文は、他の研究者による引用が多いほど内容が注目され質が高いとみなされますが、報告書によると2018年から2020年までの平均のデータでは、他の論文に引用された回数が上位1%に入る「トップ論文」の数で中国が4744本となり、米国の4330本を上回り初めて世界1位になっています。日本は324本の10位で、インドに抜かれて過去最低となっています。また、引用された回数が上位10%に入る「注目論文」の数でも、中国が4万6352本で1位、アメリカが3万6680本で2位で日本は5位。研究において、中国の強さは世界で相対的に見ても最高クラスにあたります。

こうした研究力の高さが高い技術に繋がり、高い品質を持つ電池生産に繋がっていると考えられます。

政策

中国の電気自動車(EV)が広がりを見せる理由として「政策の強さ」もあります。
日本自動車工業会が発表している「電気自動車に対する税負担の国際比較」では、日本・英国・ドイツ・フランス・米国・中国における電気自動車(EV)を13年間保有した時の課税金額と、各国の電気自動車(EV)の普及率をまとめています。

出典:日本自動車工業会


日本は先進国の中では電気自動車の普及が遅いことで有名であり、実際に課税をみると38.6万円と比較の6カ国の中で最高の課税額であり、一方で普及率は最低です。中国における電気自動車(EV)への課税はなしであり、電気自動車(EV)を選択する一般の利用者にとっては電気自動車(EV)に大変シフトしやすい税環境が整っています(2023年以降に税制や補助金の変更等が発表されています)。

中国は2010年から電気自動車(EV)に対する手厚い補助を開始しており、2022年までの大きな飛躍は、それら先だった政策がポジティブに働いたことも見て取れます。

主要な中国の電気自動車(EV)メーカー

主な中国の電気自動車(EV)メーカーについて紹介します。

BYD(比亜迪股份有限公司)

BYDはもともと、1995年に設立された「電池メーカー」でした。一方、自社で開発したLIB(電池)をベースに自動車製造に参入し、事業を拡大してきました。2000年代には、EVの安定性と走行距離から、2008年には世界的投資家であるウォーレン・バフェット氏から出資を受け、着々とEV販売を拡大し、今や世界TOP2の位置に上り詰めています。

BYDは、普通車からバスなどの大型車まで多様なモデルを展開しています。一方、日本国内におけるEV販売は計画的に遅らせる予定で、普通車では法人用のハッチバッグしか投入していませんでした。しかし、2022年に方針を転換。普及が進まず、車種も少ない日本に向けて「これからはEVを買うか買わないかの時代ではない。これからの時代はEVをいつ買うかだ。私たちは、日本のあらゆる人にとってeモビリティが身近な選択肢となる社会を皆さんとともに創造していく」と述べ、2023年には普通車も含めた販売が実施されています。

世界最大レベルの電気自動車(EV)の販売メーカーである一方、BYDはリチウムイオン電池を含む二次電池の主要メーカーでもあり、同社のバッテリー技術は、世界中の電気自動車やバスで広く使用されています。

BYDは、世界の EV 市場のリーダーになることを約束しており、全固体電池や水素燃料電池などの新しい EV 技術の開発に多額の投資を行う計画を発表しています。

関連記事:BYDのEVのラインナップ

上汽通用五菱汽車

参照:上汽通用五菱汽車


上汽通用五菱汽車 (SAIC-GM-Wuling Automobile Co., Ltd.) は、2002 年にSAIC Motor、General Motors、Liuzhou Wuling Motors Co., Ltd. の合弁会社として設立された中国の自動車メーカーです。 中国の広西チワン族自治区柳州に本社を置き、実用性と効率性に重点を置いた手頃な価格の車両を生産することで知られています。
上汽通用五菱汽車は、中国を代表する自動車メーカーの 1 つで、さまざまな乗用車、商用車、電気自動車を扱っています。 同社の人気モデルには、Hong Guang Mini EV、Baojun E300、および Wuling Rong Guang が含まれます。Hong Guang Mini EVは、2020 年の発売以来、中国で最も売れている EVの1つとなった小型電気自動車です。

上汽通用五菱汽車は、近年、電気自動車 (EV) の開発と生産を積極的に行っています。 同社は、手頃な価格で実用的で環境に優しい様々な車両の製造に取り組んでいます。

Hong Guang Mini EV:2020 年に発売された小型電気自動車(EV)で、低価格と実用性により、中国で最も売れているEVの1つになっています。1回の充電で最大170kmの航続距離を誇り、都会の通勤に最適です。
Baojun E300:2020 年に発売されたハッチバックタイプの電気自動車(EV)です。1 回の充電で最大 305kmの航続距離を持ち、広々とした室内と高度な安全機能を備えています。
Wuling Rong Guang EV:中国で公共交通機関や物流に広く使用されている電動バンです。 1 回の充電で最大252kmの航続距離を誇り、耐久性と運用コストの低さで知られています。

上汽通用五菱汽車は、EV の性能と手頃な価格をさらに改善するために、全固体電池や水素燃料電池などの新しい EV 技術の開発にも取り組んでいます。 同社は、世界のEV市場のリーダーになり、事業を他の国に拡大することに取り組んでいます。

日本市場へは2023年を目処に参入する予定です。

Chery Automobile奇瑞汽車

参照:Chery Automobile Co., Ltd.

奇瑞汽車 (Chery Automobile Co., Ltd.) は、1997 年に設立された中国の自動車メーカーです。同社は中国の安徽省蕪湖に本拠を置き、技術と革新に重点を置いた手頃な価格の車を生産することで知られています。何年にもわたって、Chery は中国の大手自動車メーカーの1つになり、さまざまな乗用車、SUV、商用車を製造しています。 同社には強力な研究開発チームがあり、いくつかの国際企業と協力して新しい技術を開発しています。

近年、Chery は世界的に拡大し、ブラジル、イラン、エジプトを含む多くの国に生産施設を設立しています。 同社はまた、世界80カ国以上に車両を輸出しています。Chery は、2017年のChery Tiggo 7の「チャイナ カー オブ ザ イヤー」賞を含め、その車両で数多くの賞を受賞しています。同社は企業の社会的責任にも取り組んでおり、持続可能な開発と社会福祉を促進するためのいくつかのイニシアチブを実施しています。

Cheryは、電気自動車 (EV) の開発に多額の投資を行っており、そのラインナップにはいくつかの EV モデルがあります。 人気のある Chery EV には次のものがあります。

Chery EQ:2018年に初めて発売された完全電気自動車です。1回の充電で最大200kmの航続距離を持ち、高度な安全性と接続機能を備えています。
Chery EQ1:2019 年に初めて導入された小型の電動ハッチバックです。航続距離は最大301kmで、市街地での運転用に設計されています。
Chery eQ5:2021 年に初めて発売されたコンパクトな電気 SUV です。1 回の充電で最大 510kmの航続距離を持ち、高度な安全技術とインフォテインメント技術を備えています。
Chery Arrizo 5e:2018年に初めて導入されたセダンタイプの電気自動車(EV)で、最大 401kmの航続距離を持ち、広々としたインテリアと高度な安全機能を備えています。

これらのモデルに加えて、Chery は全固体電池や水素燃料電池などの新しいEV技術も開発し、環境に配慮した車両の生産に取り組み、世界のEV市場におけるリーディングプレーヤーになることを目指しています。

日本市場への参入は明らかにされていません。

まとめ:中国の電気自動車(EV)を身近に知り、ベストなEVライフを!

本記事は「【獅子たる】なぜ中国の電気自動車(EV)は強く、世界に拡まるのか?」について紹介しました。

中国は電気自動車 (EV) 生産の世界的リーダーとして浮上しており、さまざまなメーカーのEVモデルの範囲が拡大し続けています。 2060年までにカーボンニュートラルになるという同国の野心的な目標は、電気モビリティへの大規模な推進につながり、EV市場に拡大をもたらしています。洗練されたセダンやスタイリッシュなSUVから未来的なバスや商用トラックまで、中国のEV製品は多様で、最先端で、さらに拡大が猛スピードで進んでいます。

BYD、上汽通用五菱汽車、奇瑞汽車、NIO、Geely などの中国の大手自動車メーカーは、EV分野で世界の主要なプレーヤーとしての地位を確立しています。補助金、減税、充電インフラへの投資という形での政府の支援により、中国でのEVの採用はこの数年で目を見張る成長を見せています。

実用的で効率的な BYD e6、豪華でハイテクな NIO ES8、ポップで愛らしくそれでいて先進的な上汽通用五菱汽車Hong Guang Mini EVなど、中国にはあらゆる好みと予算に合う電気自動車があります。 環境にやさしく先進的な移動手段を探しているなら、中国の活気に満ち、技術力の高く、ワクワクするような中国の電気自動車(EV)の市場を今後もチェックして下さい。

読んで下さりありがとうございました。
それでは良いEVライフを!


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