こんにちは、EVライフです!
日々の買い物や通勤通学、週末のドライブ、旅行など、車は私たちの生活に欠かせない移動手段になっています。そんなクルマの中の次世代を担うと期待されているのが、電気自動車です。電気自動車は電気で走行するクルマで、その優れた性能だけではなく、再生可能エネルギーと組み合わせることで走行時の環境負荷を抑えることができます。
本記事では、中国の電気自動車メーカーであり、現在電気自動車の世界シェアトップでもあるBYDにスポットをあて、「BYDの電気自動車(EV)!その開発の歴史や特徴、最新のラインナップを徹底解説」と題して、BYDの電気自動車に関する動向を紹介していきたいと思います。
電気自動車の利用を検討している方の参考になれたら幸いです!
BYDの電気自動車(EV)を見ていく前のおさらい
そもそも電気自動車(EV)とは?
はじめに、電気自動車について紹介します。電気自動車とは、車の中にある電池を電気を使って充電し、その電気を使ってモーターを回して走る車のことです。従来のクルマのようにガソリンなどの化石燃料の必要がなく、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーによって充電すると、走行時の温室効果ガスの排出が抑えられ、次のクルマの主役として注目されています。
電気自動車(EV)のメカニズム
電気自動車のメカニズムは、電気を使って走ることです。
とても簡単な例に「ミニ四駆」があります。ミニ四駆は電池を使ってモーターを回し、走ることのできる車で、小学生でも作ることのできるとても簡単な仕組みで出来ています。
実際の電気自動車の場合は、さまざまな制御があるためにもっと複雑なシステムになっていますが、本質的な部分だけを抜き出すと「電気を使ってモーターを回して走っている」という点になります。
関連記事:電気自動車(EV)とは?小学生でも分かる簡単な見分け方を紹介
BYDの歴史
BYDは王傅福(Wang Chuanfu)氏によって1995年に2次電池を製造する企業として設立され、その後電気自動車の業界に進出しています。社名であるBYDはBuild Your Dreamsの頭文字を取ったものです。
ここではまず、これまでのBYDの経緯を簡単に振り返ってみたいと思います。以下に重要なトピックに関する年表をまとめてみました。
✔︎BYDの歴史
1995年:王傅福氏が2次電池の製造メーカーとしてBYDを創業。ニッケル-カドミウム電池の製造を始める。
1995-2002: 設立当初
BYDは、携帯電話用のニッケル・カドミウム電池を生産する電池会社としてスタートしました。1995年、起業家の王伝福氏により中国の深センで設立されています。1999年には、世界最大の二次電池メーカーとなり、2002年にリチウムイオン電池の生産に進出しています。
2003-2009: 自動車産業への参入
2003年、王伝福氏は、電気自動車が将来の輸送手段になると考え、自動車産業への参入を決定しました。BYD は最初の電気自動車 「BYD F3DM」 の開発を開始し、2008 年に発売しました。世界初の量産型プラグインハイブリッドセダンとされています。
2008には、世界的に著名な投資家であるWarren Buffett氏のBerkshire HathawayがBYDに2億3000万ドルを投資し、同社の株式の10%を取得しました。この投資は、自動車産業におけるBYDの可能性を大きく支持するものと見なされた。
2010-2015: 電気自動車事業の拡大
BYDは電気自動車の事業を拡大し続け、2010年には電気自動車のクロスオーバー「e6」を発表しました。この車は世界中の都市でタクシーとして使用されています。また、2013年にはハイブリッドセダン「Qin」を発表し、中国のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
2015年、BYDは世界で最も売れている電気自動車メーカーとなり、世界的な評価を得ました。同社はこの年、6万台以上の電気自動車を販売し、テスラと日産を合わせた台数を上回る数字でした。
2016年~現在 電気モビリティの多角化と世界市場への展開継続
BYDは、鉄道輸送、エネルギー貯蔵、民生用電子機器など、新たな産業への進出を続けています。2016年には、1回の充電で最大300kmの走行が可能な世界最大の電気バスを発表しました。
BYDは、世界50カ国以上で事業を展開し、電気モビリティと再生可能エネルギーへの移行を先導しています。また、ダイムラーAG、トヨタ、第一汽車グループなど、他社と合弁会社を設立し、電気自動車の開発・生産を行っています。2020年、BYDは欧州でのプレゼンス拡大戦略の一環として、欧州にバッテリー工場を建設する計画を発表しました。
2023年には、日本市場にも参入し、第一弾の電気自動車として「BYD ATTO 3」を発売開始しています。
現在、BYDは世界最大の電気自動車メーカーの1つであり、時価総額は1,000億ドルを超えています。同社は、製品とサービスを通じて「Electrifying the Future(未来を電化する)」というビジョンを掲げ、イノベーションと持続可能性に焦点を当て続けています。
BYDの電気自動車に関する概要
BYDの電気自動車に関する考え方
BYDは、自社のサイトの中で、自身のビジョンに関して次のように述べています。
ブランドミッションである“Technological innovations for a better life”のもと、継続した成長を遂げてまいりました。現在、BYDは電気自動車事業・ITエレクトロニクス事業・環境エネルギー事業・モノレール事業の4つの事業を展開しており、ゼロエミッションのエネルギーソリューションをグローバルに提供しています。
特に、電気自動車においては、BYDグループ内でバッテリーやモーター、コントローラなど新エネルギー車のコアとなる技術を開発・製造する高い技術力を強みとしています。また、「7+4」の事業戦略*を掲げ、陸上を走る全ての車を電動化してまいりました。その結果、中国国内における新エネルギー車の売上は8年連続でNo.1を達成しており、世界70以上の国と地域・400以上の都市でBYDの新エネルギー車が走っています。
このことから、BYDは、ゼロエミッションのエネルギーソリューションをグローバルに提供することを目的に、陸上を走る全ての車を電動化し、技術革新によってより良い暮らしを実現していきたい考えであることが伺えます。
参照:BYD
BYDの電気自動車のシェア
BYDは世界の電気自動車市場におけるトップのシェアを誇っています。以下に示すのは、2022年のおける世界の電気自動車のシェアランキングですが、BYDのシェアはアメリカのテスラをはじめとする各国の電気自動車メーカーを上回っています。
BYDの電気自動車に関する目標
BYDは、2025年に販売したい車の台数について、具体的な目標を公言していません。しかしながら同社のアニュアルレポートによると、2025年に世界一の新エネルギー車(NEV)メーカーになることを目標に掲げ、NEV市場で年間500万台の販売台数を達成することを目標としているようです。
この目標は、バッテリー式電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車を含むNEVに特化したもであることに注意が必要です。BYDは、従来の内燃機関(ICE)車への依存を減らし、NEVに移行するというコミットメントを表明しています。*企業の業績や目標に関するより最新かつ正確な情報については、公式な情報源をご参照ください。
BYDの電気自動車の主なラインアップ
電気自動車の世界シェアトップを走るBYDは、2023年に日本市場の進出を果たしています。ここでは、BYDが展開する電気自動車のラインナップを見ていきましょう。
BYDの電気自動車の主なラインナップ1:BYD ATTO 3
BYDは日本市場第一弾の電気自動車「BYD ATTO3」を2023年に発売開始しました。
主な仕様は以下のようになっています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
車両価格:4,400,000円~
走行距離:485 km
乗車定員:4名
モーター出力:150 kW
バッテリー容量:58.56 kWh
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
BYDはSUVタイプの電気自動車で、本体価格が400,000円~、一充電当たりの走行距離が485 kmとなっています。公式サイトによると、SUVでありながらダイナミックでスタイリッシュなデザインを実現しているのは、BYDのグループ会社である日本のTATEBAYASHI MOULDING株式会社がもつ高い金型技術とのことです。
元々バッテリーメーカーとして創業したBYDは自動車用バッテリーでも自社のバッテリを使用しています。具体的に、熱安定性の高いリン酸鉄リチウムを使用し、長くて薄い形状にしたブレードバッテリーを開発しており、これをバッテリーパック内に効率よく敷き詰めることで、「安全性」と「強度」、「航続距離」と「寿命の長さ」、さらには高い「動力性」を獲得したとしています。
BYDはブレード上のバッテリーをもとに、ブレードバッテリー、8in1電動パワートレイン、高効率ヒートポンプシステムで構成されるe-Platform 3.0を開発しており、以下の4つの特徴があると謡っています。
1.安全性:ブレードバッテリーとバッテリーパックがシャシーの一部を構成することで、高度な車体剛性と安全性を実現しました。
2.デザイン性:低重心でフラットな床面と長いホイールベースによって広い室内スペースが確保でき、車両デザインの自由度が向上しました。
3.効率性:モーターや制御システムなどを集積して一体化と軽量化を図り、高い効率性を実現しています。
4.インテリジェンス:車両の制御、各種支援システムなどを緊密に統合し、高度なインテリジェント・ドライビングを可能にしました。
充電機能として、車への充電のほかにも、100Vの家電を使える「V2L:Vehicle to Load」を提供しています。V2Lは屋外でのキャンプ、バーベキューなど、アウトドアをより豊かにすることができるほか、突然の停電時などに、応急処置として電源を使用できます。また、自宅に電気を給電できる「V2H:Vehicle to Home」にも対応しており、専用の充放電設備が必要なものの、多くの電気供給が可能なため、災害時などに建物・自宅の電源のほか、EV充電もできます。
参照:BYD
BYDの電気自動車の主なラインナップ2:DOLPHIN
BYDは2023年中ごろに第二弾の電気自動車「DOLPHIN」を発売予定です。
現在までに公開されている主な仕様は以下のようになっています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
走行距離:386 km (STANDARD) / 471 km (HIGH GRADE)
乗車定員:4名
モーター出力:70 kW (STANDARD) / 150 kW (HIGH GRADE)
バッテリー容量:44.9 kWh (STANDARD) / 58.56 kWh (HIGH GRADE)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
BYDの電気自動車の主なラインナップ3:SEAL
さらにBYDは、第三弾の電気自動車としてセダンタイプの電気自動車「SEAL」を2023年末に発売予定です。
現在までに公開されている主な仕様は以下のようになっています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
走行距離:555 km
乗車定員:4名
モーター出力:230 kW
バッテリー容量:82.56 kWh
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
BYDの電気自動車に関するまとめ
いかがでしたでしょうか?ここまで、「BYDの電気自動車!その開発の歴史や特徴、最新のラインナップを徹底解説」と題して、BYDの電気自動車に関して紹介してきました。改めて本記事の内容をこちらにまとめます。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
✔︎BYDの電気自動車に関するまとめ
BYDの電気自動車の歴史
1995年:王傅福氏が2次電池の製造メーカーとしてBYDを創業
2008年:最初の電気自動車 「BYD F3DM」 の開発を開始し、2008 年に発売
2010年:電気自動車のクロスオーバー「e6」を発表
2023年:日本市場進出し、第一弾の電気自動車として「BYD ATTO 3」を発売開始
BYDの電気自動車に関する考え方
BYDは、ゼロエミッションのエネルギーソリューションをグローバルに提供することを目的に、陸上を走る全ての車を電動化し、技術革新によってより良い暮らしを実現していきたい
BYDの電気自動車のシェア
BYDは世界の電気自動車市場におけるトップのシェアを誇る
BYDの電気自動車に関する目標
世界一の新エネルギー車(NEV)メーカーになることを目標に掲げ、NEV市場で年間500万台の販売台数を達成することを目指している
BYDの電気自動車の主なラインアップ
BYDの電気自動車のラインナップ1:BYD ATTO3(2023年発売)
BYDの電気自動車のラインナップ1:DOLPHIN(2023年発売予定)
BYDの電気自動車のラインナップ1:SEAL(2023年発売予定)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
本記事が、BYDの電気自動車に関する理解を深める手助けをできていたら嬉しいです。
また、EVライフでは簡単にあなたの車と電気自動車を比べることできます。是非お試しください!
比べてみよう。あなたのクルマと電気自動車(EV)
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
では、楽しいEVライフを!