■ トヨタのEV戦略の発表
トヨタは、2021年12月にEV戦略を発表しています (参照:トヨタの公式ページ)。
想定する展開EV車種数
2030年のBEV(電池のみで走るEV)の目標を従来の200 万台から350 万台に大きく上方修正、さらに主要車種を現在の2車種から30車種に拡張することを発表し、BEV推進の精力的な目標を掲げています。
EVへの投資
BEVの電池への投資では、以前に1.5兆円と発表していましたが、今回新たに2兆円に引き上げることを掲げています。また、車両開発を含むと350 万台のベースで、BEVのみに合計4兆円を 2030 年までに投資することを予定しています。また、電動車全体で見ると、HEV、PHEV、FCV の3つの種類の電動車に対して合計で 4 兆円規模の投資も計画しており、全電動車(BEV、HEV、PHEV、FCV)で合計8兆円規模の投資を構えていることになります。
EV推進へのコメント
“2035 年に向けて、カーボンニュートラルビークルをできるだけ増やしたい。各国のエネルギー事情が大
きな影響を及ぼしていることも事実である。トヨタとしてどうしようもないということをご理解いただき
たい。エネルギー事情により、充電設備ができていないところに導入すると、お客様にご不便をかけるよ
うなことを避けたい。グローバルで見た場合、多様化された市場、多様な状況では多様なソリューション
が必要であることをご理解いただきたい。また平均的な最善策は全ての人にとっての最善策とは言えない
と思う。現在、正解がない、いわば不確実な時代に対しては、多様な解決策で臨みたい、全方位で一生懸
命に取り組んでいるし、共に戦っている仕入先や関係会社を含めて、共に戦っていきたいことをご理解た
だきたい。”
トヨタ戦略の特徴
(電気自動車(EV)アナリストからのコメント)
トヨタのEV戦略の特徴は、BEVだけにこだわらず、地域ごとのエネルギー事情を考えた上で、電動車の導入割合を配分し、多様なニーズへの多様なソリューションの可能性を残していることになります。この戦略は多様なニーズへのリスクヘッジとも取れるもので、大企業トヨタだからこそ取れるEV戦略とも言えると思われます。
今後のトヨタのEVの発展を楽しみにしましょう!